好きからヤンデレ
「と、もはるさんでしたっけ?」
「はい。」
「わ、たし、智治さんと昔あったような気がします...」
小さく私は彼を引き込ませる
可愛げに守ってあげたいと思わせるために。
「そうか!そうか...そうか。うん。」
嬉しそうなその言葉に私は本当に嬉しいよ智治。
あなたがしてくれた事は
最初は例え私を捕まえるためであったとしても
いまは愛を育むためにしてくれていることなんだよね?
そう思いと嬉しい
あんなにすっとぼかされた
斗真ってヤツとの思い出なんかより
智治との思い出の方が
何十倍も楽しくて
ワクワクして
好きなんだ
「目を見たい。空美の目を見たいよ。
布団、どけてもいい?」
「....ぇっあ、あの」
急に馴れ馴れしくならないでよ
演技をしなきゃいけないのに
今にも智治に抱きつきたくなったじゃない。
記憶喪失の役をしてここから逃げなきゃ
だって斗真って人を殺さないと
今の幸せは
アイツ...斗真を好きな私によって阻まれてる。
斗真を殺さなきゃ...
「.......殺らなきゃ...っ!?」
ふと心の声が喉を伝って外に出てしまった。
どうしよう...
そう思ったのもつかぬま
意外な言葉が
私を混乱に落とし入れた
「殺したい相手はここにいるよ?俺でしょ?」
智治の声のあなた。
布団がめくられて
私の顔は再び広い部屋に解放された。
「...な..んで」
「空美...逃げよう?どうして俺を殺したいの?それとも一緒に死ぬ?ぇ?」
「っん....で。なんで。」
目の前にいたのは
智治じゃなくて
智治の声をした
斗真.......