だから、肉まん。〔短編〕


高瀬に密かに思いを寄せ、そして密かに失恋したこっちの身としては、


「さっさと告って、彼女と一緒に帰れ!!いつまでも期待させんな、このヘタレが!!」




と、叫んでやりたい気分だけど、そんなこと到底できるはずもない。




私は「はあぁ」と大きくため息をつく。



・・・なんだか。


怒っているはずなのに。

あたたかいコンビニの中にいるはずなのに。



胸の奥は重く、体の芯は冷たくなっていくような気がした。




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