だから、肉まん。〔短編〕
「っひゃあ!」
ぼーっとしていた私の頬に、突然なにか熱いものがふれた。
おどろいて、そちらの方を向くと
「そーのだっ!はい、肉まん。」
高瀬が満面の笑みで肉まんの入った紙ぶくろをぶらさげていた。
熱いものの正体はどうやら肉まんだったらしい。
「園田どした?ボーっとして」
高瀬が私の顔を心配そうに覗き込んできたので、あわててそらす。
「べつに、なんでもない。」
「そう?・・・・ていうか園田、そのチョコほしいの?」
「え、」
高瀬はものすごく微妙な顔で私の手元を見ている。