だから、肉まん。〔短編〕


取り残された男子高生はとても悲しそうな顔をして、無言で頭上の雪をほろっていた。



………同情するよ、彼氏さん。


あんたはたぶん、将来奥さんの尻に敷かれるタイプだ。



「高瀬ー、肉まん、ちょうど2つ残ってるよ」


いつの間にやら肉まんのショーケース前に移動してきた女子高生が、少し嬉しそうに言った。



その声につられて、男子高生も女子高生の隣に並ぶ。



< 38 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop