だから、肉まん。〔短編〕
あいかわらず、ナナメ前を歩いていた高瀬がくるり、とこちらを振り返る。
そして「お願い」と両手を合わせてきた。
・・・さて。コタツみかんとコイツの欲求。
どちらをとろうか。
立ち止まって悩む私に、高瀬はなおも手を合わせる。
うーむ。
「・・・・しかたないな」
「え、マジ!?よっしゃ、じゃあそこのコンビニ行こ!
あそこ、肉まんの種類が豊富なんだよなー」
「へぇ。」
高瀬はうれしそうに50メートルほど先にあるコンビニの看板を指差す。