近未来少年少女
ホームルームが終わったと同時に
俺の席の周りにはカオリとフクが集まっていた
『ねぇ…どうする?』
進路の紙をペラペラと揺らしながらカオリが言った
『進路調査表か…』
フクが横で呟いたのを見て『おまえらはどうすんの?』と逆に聞き返した
『何にも決めてないよ!
うちらまだ高2だよ?』
カオリは進路調査表の紙を机の上に投げ捨てた
クラスを見渡すとみんな同じような事を言っていた
なんだ…みんな一緒か…
少しだけ安心した
将来の事を決めてる奴なんてこの中に数人しか居ないだろう
“将来”
“進路”
俺にとってはそれも他人事に思えていた
『まだ高2なんじゃなくて
もう高2なんじゃない?俺達…』
フクが小さい声で言ったのを俺は聞き逃さなかった
……もう高2か…
確かにそう言われればそう感じる
でもやっぱり現実味がない
『ねぇこの話知ってる?』
クラスの一人がでかい声を出して言った
『なに?』
その子は一気に注目を浴びた
俺もさりげなく耳を傾けてみた