近未来少年少女



『俺は必死になって捨てた写真を探したよ。最後に撮った妹の…この写真をな』

最後……………?


俺が不思議な顔をしていると、リーダーは写真を見つめて言った



『妹は死んだんだ。生まれた時から体が弱くて…
一度だけ病院から外出許可をもらって…これはその時の写真』


『リーダー……』


『青い小さな花が咲いていてそこで写真を撮りたいって妹が言ってな…。
………この花なんの花か分かるか?』


その問いかけに俺は首を横に振った


『この花はな…………
“勿忘草”って言うんだ』

勿忘草…………


『花言葉は“私を忘れないで”

まぁ妹がこの花言葉を知っていたかどうかは分からないけどな』



俺はリーダーから目を反らせなくなっていた

だって今にも泣き出しそうな顔をしてるから

いつも強くて頼りになるリーダーが…………



“勿忘草”

花言葉は
“私を忘れないで”



青い小さな花に囲まれてる女の子の顔はとても優しい顔をしていた


リーダーに似て、


とても優しい顔だった



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