近未来少年少女


『カ、カオリ!』


俺は心の底からほっとしていた

これで家に帰れる…

………………………
…………

俺は住所を忘れて困っていた事をカオリに言った


するとカオリは、『それで一人でブツブツ言ってたんだ!』と馬鹿にした


『しょうがないじゃん…
俺まだ一回しか家行った事ないし』


……………………
…………



街灯が照らす五番街の家通りに出ると、カオリが次々家を指差していった


『えーと確かユウキの家は…』


『なぁカオリ』

そんなカオリを見て、俺はある事に気付いた


『ん?なに?』


『なんで一人で外に居たの?』


カオリの家は五番街じゃないし、それにみんな帰ったはずなのに

するとカオリは唇を噛みしめ、言いずらそうにした


『………今日色々私のせいで揉めちゃったからさ…
家に帰っても落ち着かなくて……』


『別にカオリのせいじゃないよ。
だからもう気にすんなよ』

あれは誰のせいでもない



………………………
…………

暫くして俺の家は無事に見つかった

“五番街の2-32”


ちゃんと覚えなきゃ……


『カオリありがとうな』

家の前でお礼を言った


『ううん。じゃ…』

そう言って、帰ろうとするカオリをなぜか引き止めてしまった

『あっ…待って!……………え、えーと…………家上がってけば?』


『え?』


『だって一人で家帰っても落ち着かないんでしょ?』


< 128 / 599 >

この作品をシェア

pagetop