近未来少年少女
『カ、カオリ!』
俺は心の底からほっとしていた
これで家に帰れる…
………………………
…………
俺は住所を忘れて困っていた事をカオリに言った
するとカオリは、『それで一人でブツブツ言ってたんだ!』と馬鹿にした
『しょうがないじゃん…
俺まだ一回しか家行った事ないし』
……………………
…………
街灯が照らす五番街の家通りに出ると、カオリが次々家を指差していった
『えーと確かユウキの家は…』
『なぁカオリ』
そんなカオリを見て、俺はある事に気付いた
『ん?なに?』
『なんで一人で外に居たの?』
カオリの家は五番街じゃないし、それにみんな帰ったはずなのに
するとカオリは唇を噛みしめ、言いずらそうにした
『………今日色々私のせいで揉めちゃったからさ…
家に帰っても落ち着かなくて……』
『別にカオリのせいじゃないよ。
だからもう気にすんなよ』
あれは誰のせいでもない
………………………
…………
暫くして俺の家は無事に見つかった
“五番街の2-32”
ちゃんと覚えなきゃ……
『カオリありがとうな』
家の前でお礼を言った
『ううん。じゃ…』
そう言って、帰ろうとするカオリをなぜか引き止めてしまった
『あっ…待って!……………え、えーと…………家上がってけば?』
『え?』
『だって一人で家帰っても落ち着かないんでしょ?』