近未来少年少女


『あんた学校終わって暇してるならバイトでもしなさいよ!』

いつもの説教が始まった


『………』


俺は何も言わず無言で椅子に座った


リビングにはテレビの音とカレーの煮込む音だけが響いていた


バイトか………


別にやりたくない訳じゃない

やってた事もある


でも給料の半分以上は生活費と言われて家に金を入れていた

だからほとんど自分では使えなかった



働いた分、自分の小遣いになるならいくらでもやる

俺だって欲しい物はいっぱいあるし


だけど小遣いにならない事より
おふくろが俺の金に頼ってくるのが嫌だった


家の為に働く


今の俺にとって重たい言葉


もっと自由でいたい



< 16 / 599 >

この作品をシェア

pagetop