近未来少年少女
『ユウキがねー…』
会話の途中で聞こえた俺の名前
電話の相手はたぶんおふくろの
彼氏だ
俺の話しなんかするなよ…
なに話してるんだろ?
『あーユウキはダメよ!
やりたい事ないもん!』
………
『それにうちはそんなお金ないしね。あの子は言わなくても分かってるわよ』
…………
『大学?無理無理!
就職してもらわないとこっちが困っちゃうわよ!』
……………
偶然聞いてしまった言葉に、俺は胸を鷲掴みにされているような感覚に陥った
…………ッ
分かってる
そんな事今さら言われなくたって
分かってるんだよ
俺に将来の選択肢はないって事ぐらい
バンッ!!!
勢いよくリビングのドアを開けて
携帯を取った
おふくろはア然としていたが
すぐにまた電話で話し始めていた