近未来少年少女



『ふざけんなよ…もう時間がないのに、早くここから出なきゃいけないのに何で教えてくれないんだよ!!!』

俺はさらに声を上げた

頭に血が昇って、自分がここから出たいと思ってる事を口走ってしまった

でもそんな事今の俺には全然関係なくて………

早く…全てを忘れしまう前にここから出ないといけないのに

焦りは大きくなるばかりで、どうしようもない不安が俺を支配する


でもメグは俺が出たいと知ってもその話題に触れもしなかった


『ユウキの足で歩いて、自分自身で思い出すしかないのよ。私はそのキッカケを作る役目。だから全てを話す事は出来ない』


………………
自分の足で歩いて?

俺自身で思い出す?


メグの言う言葉が俺の胸に突き刺さって、余計に冷静さを奪う


『あんたの気持ちも分かるわよ。でも………』

俺以上に辛そうなメグの顔なんて今の俺は全然見えていなくて………

『わかんねーよ………
メグには俺の気持ちなんて絶対分からない』


そう冷たくメグを突き放した


誰にも俺の気持ちなんて
分からない


この世界来て、救世主と言われて、ミノルに会って、
失ってる記憶の存在知って………


俺の知らない所で、俺を知ってる人が居て


一人で記憶を辿っても
今だに何も掴めない


なのに、俺自身で見つけなきゃ意味がない?

分からないものは
分からない


思い出せないものは
思い出せない


俺はこの世界を全てを背負っていける程、強い人間じゃない



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