近未来少年少女


そんなゲンタが発した言葉は思いもよらない言葉だった


『だってつまんねーじゃん?』

ため息をつきながら言うゲンタに違和感を感じた

つまんない……?

違う、ゲンタはこんな事言う奴じゃない

それに……ゲンタはいつだってダイキ組に居るのが楽しそうだった

一番リーダーにも慕っていたし、こんな理由で抜けるなんて絶対おかしい


ゲンタの一言でさらに空気が重くなる


『ガンタ、ちゃんとした理由があるんだろ?
抜けたいなら訳を話せよ』

ずっと無言だったリーダーがやっと口を開いた


それと同時にみんなの視線がゲンタに集中する
……………………
………


『嫌なんだよ…こーゆーの…』

ゲンタの話しにみんな耳を傾けていた


『仲間なのに隠し事されてて……
みんな分かってるのに…
聞きたいのにそれを口に出せない感じがもう嫌なんだよ!』


ゲンタ………


ノリ、ユキ、アンナ、カオリがリーダーを見る

リーダーはうつ向いたまま何も答えなかった


『俺達には言えないんだろ?リーダー………
隠し事されたまま一緒に居ても何にも楽しくねーんだよ』


隠し事…それはリーダーが“この世界を壊したい”と思ってる事


ここに居る事を望んでるみんなには言えない

言っちゃいけない


リーダーの悲痛な気持ちが俺の胸を突き刺した



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