近未来少年少女


『あんな風に……冷たくリーダーに接したのもわざと?』

俺が聞くとゲンタは深く頷いた


『リーダーは俺を突き放せないから…だったら俺から突き放すしかないじゃん?』

その顔は優しく、そして悲しそうだった

俺は涙を必死で堪えていた

リーダーは前にこんな話しをしていた

ゲンタの事をバカで一緒に居て飽きない奴だって

みんなと居ると時間があっという間に過ぎて、楽しくてこの生活がずっと続けばいいと思ってたって


なんで………

なんでみんな気持ちは一緒なのに、

こんな風に誰かが離れて行かなきゃいけないんだろう

やっぱり俺は…………

この世界が嫌いだ


ただの友達だったら
こんな風にはならない

仲間だから、友達よりも絆が強い仲間だから

こんなに悲しいんだ


でもなんでだろ


友達なら例え一緒に居なくても友達だよねって言えるのに

仲間だとそう言えないのはなんでだろう


仲間という枠を一度作ってしまうと、その枠から抜けた時どうしても元には戻りにくい


なぜかゲンタが遠い存在になったように見えてしまった

だけど俺は…………




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