近未来少年少女
決して全部を思い出せた訳じゃない
一部の事だけど俺は、はっきりと手応えを感じた
そんな様子を見たゲンタは『どうした?』と首を傾げていた
『あ、ううん、なんでもな…』
俺の言葉がピタリと止まる
“なんでもない”
そう言ってゲンタをまた誤魔化し続けるのか……?
本当は言いたい、でも言えない
俺もリーダーと一緒だ
今、全てをは話す事は出来ない
だけど目の前に居るこの世界で初めて出来た“友達”に俺は聞きたい
『ゲンタはこの世界をどう思ってる?』
この質問は無謀だと思う
答えなんて分かりきっている
前にカオリに“今楽しい?”と聞いたら“楽しいよ”と返ってきた
これは当たり前の答え
なのに俺はまた同じ事をゲンタに聞いている
『どうって………
どうも思わないよ』
それは俺にとってかなり意外な答えだった
『どうも思わない…?』
『うん。ここに居る事が当たり前だから別にどうも思わないよ』
当たり前……………