近未来少年少女



『じゃぁさ…ゲンタ…』


俺はゆっくりと口を開いた
『?』

ゲンタが不思議そうにこちを見てる


『じゃぁ、ここに線があったとして…』

そう言うと俺は足で地面を蹴り、ゲンタとの間に線を引いた


『ゲンタが居る方が“今の世界”俺が居る方が“元の世界”
俺がこっちに来いって言ったらゲンタは来る?』

こんな事急に言われて、ゲンタは俺の事変な奴だと思うだろう

ドクン…ドクン………………

心臓が大きく鼓動する


ゲンタは俺の目を見つめて一言、言った


『行かない』

ドクンー…

悲しい鼓動が鳴り響く

『なんで?』俺が聞くとゲンタは、

『だってそっちに行っても、どうやって生きて行けばいいか分からないから』と言った

………………………
…………………
…………


俺はその後ゲンタと別れて、一人で街を歩いていた


ゲンタの言葉………

俺の胸にズシッと響いた



ここは仮にも夢の国


何をやっても、何をしても許される

時間なんて関係ない

遊んでも、楽をしても
文句は言われない


誰にも縛られないこの世界で、長く居続けた住人達は………

元の世界に戻って普通の生活が出来るだろうか




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