近未来少年少女


チカチカと光る遊園地の機具、ボンッボンッと地響きと共に鳴るヘビメタの音楽

♪♪♪♪♪♪♪

う、うるせー……

俺は眉間にシワを寄せて、周りをキョロキョロと見渡した

誰かに会ったらどーしよう……特に今カシワギに会ったら……


♪♪♪♪♪♪

メグは黙々と前に進んで行く


『メ、メグ……!』

しかし俺の声が聞こえる訳もなく……渋々メグの後を追った

♪♪♪♪♪♪


中央の騒がしい所から少し離れ、イルミネーションも行き届いて居ない暗い場所
そこに一軒の小屋があり、メグが中に入って行った

…………?

暗い中、目を凝らして見てみると“休憩所”と書いてあった

休憩所…………?


俺は少し警戒しながら中に入った

メグはパッとすぐに電気を付けて、暗闇だった視界が一瞬で明るくなった


………小屋の中は原色カラーで物が多くてごちゃごちゃしている

こ…ここは……………


『ここもメグの家?』

メグは大きなソファーに腰掛け、くつろいだ

『ここが本家よ、その他は仮の家』


その他って…………
何軒自分の家にしてるんだよ…でもここが本家って


『え…だってここ九番街じゃん!』


『うん、だから何?』


だから何って……カシワギの縄張りに住んでるなんて…

『木を隠すなら森の中、人を隠すなら人の中、家を隠すならカシワギの縄張りの中ってね♪』


メグがテンポ良く答えた

…………確かにここなら誰も近付かないし、身を潜められるだろうけど……

だからって…………



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