近未来少年少女


俺はどこにも座らず、立ち尽くしたままだった


『カ、カシワギには気付かれてないの?』

こんな所に住んでるなんて知られたら…………


『縄張りとか言って管理出来てないからね、あいつ。
無駄に広すぎんのよここは』

じゃ…カシワギ気付いてないのか…まぁ、確かにこんなに広いんじゃ全部を管理するのは無理だよな

しかもこんな中央から離れた場所じゃ誰も気付かない

でもここに来るまでに一人もカシワギ組に会わなかった

夜だから居るはずなのに


『なんか今日九番街人居なくない?』

俺はメグに聞いた

メグは足を組み換え、ニヤリと笑った


『みんな今の時間は他の街に行ってんのよ、ご飯を食べに行ったり遊びに行ったりね』

『詳しいね…!』


『あいつらの行動する時間帯は調べ済みよ』


メグの顔が自信満々だった
だから誰も居なかったのか……
さすがだな


そして話しは変わって本題へ…………

メグが俺をここに連れてきた理由が明らかになる


『あんた少しでもミノル事思い出せたって言ったわね?』


メグの声のトーンが低くなった


『う、うん…』

本当に少しだけど……


『それでユウキはどう思った?』

メグの顔が真剣になった


どう思った……?
ミノルを思い出して?


俺が困っていると気付いたメグは寂しそうな顔をした
……………………
…………


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