近未来少年少女



それはここから出れる喜びじゃない

リーダーの優しい言葉だけじゃない


あの出口を通ったら……
リーダーとの別れが待っている事に涙が出そうになった

……………………
……………


俺は家に帰って一人悩んでいた


もう少しで、後もう少しでここを出る事が出来るかもしれない

探し求めていた出口が手に届く所にあるのに……
それを通る勇気がない


『ここを出たかったんじゃないの?』

一人で居るはずだった部屋から声が聞こえた


『みのる……』

突然消えたみのるが再び俺の前に現れた

もうみのるという存在を認めている俺は、突然姿を現しても驚く事はなかった


『出たいよ…出たいけどさ………』


みのるの問いに、言葉を詰まらせて返した


『ここを出たらもうここの住人達と会う事はない、それが引っ掛かってんの?』

みのるは全てを見透かしていた

俺は何も言い返せなかった、すると


『馬鹿じゃん』

みのるはため息を漏らした

な……………

『馬鹿って…』


『だって本当の事じゃん。あんた目先の事しか考えてなさすぎ』

『目先の事…………?ど、どーゆー意味?』


みのるは相変わらず呆れた顔をしている

『自分の存在の大きさに
まだ気付いてないの?』



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