近未来少年少女
誰かに何かを伝える事に“遅い”なんて事はないよ
その言葉をずっと待ってる人だっている
カシワギが付いていた嘘は優しい嘘だった
その嘘をリーダーが許さない訳がない
カシワギとリーダーは“水と油”いや、違う
例えるなら“水と水”
同じ色、同じ気持ち、例え離ればなれになっても近くに行けば……境目は混ざり合ってまた同じ色になる
すぐに理解し合える
“信じ合える友達”そう言っていたあの頃みたいに………
俺の中でずっとモヤモヤしていたモノが消えてなくなった
……………………
…………
俺は暫くの間、勿忘草の花畑を見つめていた
カシワギは“もうすぐみんな起きる頃だから”と言ってこの場から去って行った
俺はもう少しだけここに居たかった
だから今は一人でこの景色を見ている
別れ際のカシワギとのやり取りを思い出した
『ねぇ…俺がミノルを救う事が出来たとして、もしそれでこの世界が…』
この世界がなくなったら………
“ミノルを救う”という事はもしかしたら“この世界がなくなる”という事かもしれない
この世界から出たいと願ってる人はいい、だけど
そう思ってない人は……
カシワギは一言、
『結果は後からついてくる。今はお前がやれる事をやれ』と言ってくれた
カシワギも含めてここに居る事を望んでる人
“この世界を壊す”
リーダーと最初に誓った約束の重みを俺は今までどれくらい理解していただろう