近未来少年少女


今になってその重みが俺にのし掛かってくる


“この世界を壊す”

それは誰かの生きる希望を奪う事になるかもしれない
この広い世界で、やっと居場所を見つけられた子供達を………

俺は息苦しい現実の世界へ、居場所のない孤独の場所へ……追いやってしまうのかもしれない


そう思うと、足が止まって決心が鈍る

それも踏まえて前に進んできたはずだったのに……

どうしてもこの重みを取り払う事は出来ない


…………そんな事を思いながら、カシワギが去ったこの場所で一人考え込む

だけど、やっぱり俺の背中を押すのは………

頼りない俺を叱ってくれるのは………


『こんな所で何してんのよ』


俺の背後で聞き慣れた声がした

振り向かなくても分かる

その声を聞いただけで安心して心が落ち着く


『メグ……』

この世界に来て、ミノルと向き合う事が出来たのも

ここまで前に進めたのも
全部この人のおかげ

厳しく突き放して
笑って俺を包み込む

メグが居たから俺はここまで来れた


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