近未来少年少女
…………カオリ…
『…どこに行くの?今みんなで四番街の広場に集まってるんだよ…』
固く、強く掴まれてる腕が熱い
“みんな”
その言葉を聞いて、頭に血がのぼっていた俺は冷静になった
そうだ…………
早くミノルの事を思い出すのも大切
だけど、まだみんなに言わなきゃいけない事がある
それと……ちゃんと伝えよう
何度も支えられた、一番付き合いが長いこの人に………
『カオリ…………
今から話す事ちゃんと聞いて』
心を落ち着かせて、ゆっくりと掴んでるカオリの手を握った
今まで嘘をついていた
言いたいのに言えない、そんな葛藤が何度あっただろう
でも、もう最後だから……ちゃんと俺の口から話したい
『俺…忘れ物を取りに行かないといけないんだ』
『忘れ物……?どこに?』
俺は深呼吸して、息をはくように言った
『向こうの世界』
カオリは俺の言葉を理解出来ず、首を傾げた
『どーゆー事……?』
もう嘘はつかないよ
つーかつきたくない
『俺…………戻るよ。
現実の世界に』
言葉に迷いはない
俺の真剣な顔にカオリはやっと状況が分かったらしく、みるみる表情が変わっていった
『な…なに言ってるのユウキ…』
だけどそう簡単には受け入れられない
当たり前だ
急に前触れもなく、こんな事言われたら誰でも驚く