近未来少年少女



俺とリーダー二人だけの空間、俺は深呼吸して絵を見た


『リーダー…俺はもう何の迷いもないよ』

するとリーダーは表情を変えた

『俺はユウキに伝えてない事がある、だから黙って聞いてくれ』

俺に伝えてない事………?

リーダーは絵に目を向け、語り始めた


『俺は今までお前に頼りっぱなしだった。“お前なら出来る”“お前ならきっとやってくれる”って』


『………』


『それが大き過ぎる運命だとしても、ユウキなら大丈夫だと信じていた』


俺は黙ってリーダーの話しに耳を傾けていた

一生忘れないように、一生心に閉まっておけるように

『だけどこれは……俺という一人の人間としての最後のお願い』

リーダーは絵から目線を離し、俺の瞳を見つめた

最後の…お願い?


『な……に?』


『もし運命が変わらなかったら、もしこの世界を変える事が出来なかったら…』

『…………』


『ここの事は忘れてお前は普通の高校生に戻ってくれ』

え…………
な…なに言って…

リーダーは俺の動揺を無視してさらに続けた


『ユウキの性格は俺が一番よく知ってるよ。もしここを変える事が出来なかったらお前は負い目を感じる』

『………』


『自分だけ普通の生活に戻れない、みんなとの約束がある、そう思ってお前はまたこの世界に戻ってくるかもしれない』


『リーダー…』


『そんな事俺が許さないから』


リーダーが強く言った

確かに……もし何も変わらなかったら、もし何も変える事が出来なかったら……
俺は自分を許せない


こんなにみんなが応援してくれてるのに

背中を押してくれてるのに、自分だけ何もなかったように元の世界で生きていく事は出来ない

そう思っていた




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