近未来少年少女



『悪いな、これからなのにダメな事ばっかり言って…。でも“もしも”そうなったらの話しだから』

リーダーの表情がいつも通りに戻った


『で…でも…』俺が言いかけると、リーダーが優しく言った


『頑張った結果、もし運命が変わらなくてもそれはお前のせいじゃない』


『………』


『俺はお前の力がなくても絶対自力でここから出る!何年かかってもな』


リーダーが笑った

俺は知ってる、なんで最後の最後でこんな事をリーダーが言うのか……


それは、もし嫌な結果に終わってしまったら………一番責任を感じるのは俺だと分かっていたから


一生この運命を背負わせたくないと、負い目を感じてまたこの世界に戻って来る事がないように…………


“俺はお前の力がなくても自力で出る”

そう言ったのは………

俺が居なくとも大丈夫だと、なんとかなる、お前のせいじゃないよ…と…

リーダーの最後の優しさだった



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