近未来少年少女


…………………

ど、どうしよう…

家に向かっていた俺の足が止まった

で、でもこんな事になって一番心配してるのはおふくろだ

早く顔を見せて安心させてあげなくちゃ、それに……聞かなきゃいけない事もあるし

みんなが背中を押してくれた

だからこんな所で立ち止まってられない!


だけど俺は……………自分達の事が新聞の一面になっていた事より

神隠しと大きく書かれた事より

ユウキという名前が載った事よりも“フリーチルドレン”その世界を作った当の本人、

そして一番目の住人である“ミノル”の名前が一覧表に書かれてなかった事が……気になって仕方がなかった


…………………
………………………

俺はそんな事を考えながら、歩く足を早めた


俺が住んでいたウノ町に到着する頃は6時を過ぎていた

ちらほら仕事に向かう人、部活の朝練なのか学生達ともすれ違った


“学校”“会社”今まで無関係の所に居た俺は……本当に“現実”に戻ってきたんだと実感していた

こうやって何事もなかったように1日が始まってゆく

俺はさっきまでこことは全く違う世界に居たのに………

なんだかもう遠い昔のような気分だったー…



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