近未来少年少女


とりあえずフクは学校に、俺は家へと向かう事にした

方向は一緒、こうやって並んで歩く事さえなんだかすごく懐かしい


『ユウキはフリーチルドレンになってたんでしょ』

ドクンッ…

フクが何のためらいもなく聞いてきた


『え…な、なんで分か…』

俺が言い終わる前に言いたい事が分かったらしく、フクはさらに続けた


『分かるよ。だってあの時携帯に不審なメールが来たって見せてくれたし、それに……子供だったら誰でも行きたい世界だしね』


俺は少し考えるように沈黙になった後、フクに問いかけた

『………フク、前にそんな世界信じないって言ってなかったっけ?』


フクは意外と現実主義で、自由の国に夢を抱いていたけど結局はそんな世界ある訳がないと言っていた


『言った!でも……ユウキは行ったんでしょ?その世界に…』

行った…行ったよ

俺も最初は信じてなかった
ありえないって、そんな世界ある訳ないって


だけど、その世界は実際に存在した

でも……
でも……………



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