近未来少年少女
フクの話しを聞いて俺の焦りはさらに積もった
これ以上住人を増やしてはいけない
あの世界を夢の国なんて思ってはいけない
俺がなんとか出来る内に…みんなを救う事が出来る内になんとかしないと
……………ッ
自然と拳に力が入った
『ごめん、フク。まだ何も話せてないけど、何の説明もできてないけど………俺早く行かなくちゃ!』
俺はそう言って走り出した
ごめん…フク…後で全部話すから……本当にごめん
背中越しで何度も何度も謝ってる中、突然
『ユウキ!!!』
フクが大声で俺を呼ぶ
………………?
俺の足はピタリと止まり、再びフクの方に目を向けた
『俺何にも分からないけどユウキとまた会えて嬉しかったよ!!』
フクが一目を気にせず叫んでいる
こんな風に大声出す姿を見たのは初めてで……
『……俺、もうユウキは帰って来ないんだって思ってた』
今までとは違うフクの表情、きっとフクはずっと我慢していたんだと思う
当たり前だ、親友が突然居なくなり、突然また現れたんだから……言いたい事がない訳がない
『夢の国に行ったら俺の事なんか忘れて楽しくやっていると思ってたし……』
『………』
『進路とか将来とかそんなの関係ない世界に行ったら、もうこっちに戻りたいなんて思わないんだろうなって』
フクが溜めていたものを吐き出すかのように言った