近未来少年少女
いつもおっとりしているフクのこんな必死な姿を見たのも初めてだった
『携帯に何回も電話しても出ないし、メールも返って来ないしさ』
『……………ごめん』
『テストとか進路とか正直馬鹿らしいと思ったよ。そんな事しなくてもいい世界があるんだから』
『……………』
『……そんな事思ったらだんだんユウキの事も許せなくなった。何にも言わずに居なくなって親友と思ってたのは俺だけだったんだなって』
フクの募り募った思いを聞いた
そうだよな、もし俺が逆の立場だったらフクと同じ気持ちになる
俺も向こうの世界でフクの事を考えてたとか、携帯も使えなかったとか言い訳はしない
去っていくより去られた方がずっと辛いと思うから
『フクごめん…本当にごめんな』
その言葉しか出てこない
『許さない』
ドクンッ
フクの言葉が突き刺さる
正直、自業自得だと思った
何事もなかったようにまたフクと親友でいられたらって…そんな甘い期待をしていた自分に
フクはその間俺から目を反らさなかった、そして……
『許さないって思ってたけど………やっぱり顔見たらどんな感情より会えた嬉しさが先だった』
フクがニコリと笑った
俺はそんな事言ってもらえると思ってなくて……
もうフクとは親友ではいられないと思ってたから………
『戻ってきてくれて
ありがとうユウキ』