近未来少年少女


なんでって………

『聞いたらダメな事なの?』

こんなに動揺するなんて絶対に変だ、やっぱり10年前の事故には何かある

おふくろは動揺を隠すように、再びお茶を注ぎ始めた

『別にそうゆう訳じゃないけど…。あんた今まで聞いてきた事なかったじゃない、だから……』


口を濁らせて喋る様子は、馬鹿な俺でも何かあると気付いた

なんでおふくろはこんなに動揺してるんだ…?


『ねぇ………
何か隠してる事があるの?』

俺は迷う事なく、そう尋ねた


『べ、別にそんな事は………』


誤魔化そうとする姿を見て、

『ねぇ、本当の事言ってよ』とさらに詰め寄る


『本当の事……?』

おふくろがやっと俺の方を見た

たぶんその言葉で、俺が何かに勘づいてる事に気付いたんだと思う

俺は今まで疑問に思い続けていた事をぶつけた


『…俺、10年前の記憶が一部無くなってるって最近知ったよ。なんで……なんで今までその事内緒にしてたの?』



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