近未来少年少女

┗サッカーボール




《10年前》》》》》》


キーンコーンカーンコーン

小学校のチャイムが鳴る


それと同時に椅子の音が一斉にキィィ!!と鳴り、ザワザワと教室が騒がしくなった


『ねぇ!ユウキ君も一緒にサッカーやらない?』


クラスメイトの一人が俺に声を掛けてきた

今男子の中でサッカーブームがきているらしく、休み時間、昼休み、そして放課後とサッカーをみんなでやるのが日課になっていた


クラスの中心人物の“ショウタ君”はいつも俺を誘ってくれる

だけど俺はいつものようにこう答えた


『俺はいいよ』

静かにランドセルを背負い、教室を出た

続々と校庭にみんなが集まっていく


他のクラスの男子も混ざって、総勢20人くらいで騒いでいた

そんな楽しそうな様子をフェンスの向こう側から見つめ、俺は一人帰り道を歩く

みんなが嫌いな訳じゃない

サッカーがやりたくない訳じゃない


だけど俺は一刻も早く家に帰りたい理由があった

そんな思いを抱えながら、毎回友達の誘いを断っていたら………

いつの間にか休み時間のサッカーにも入りづらくなってしまった


いつも俺を誘ってくれるショウタ君には悪いけど…

たぶん今さら行っても輪に入れないし…それに…俺はサッカーが下手だから

たぶん一緒に遊んでもつまらないと思う




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