近未来少年少女


最近は忙しいらしくて、朝小学校行く前と今のたった15分しかお母さんと話す時間がない


だからいつも放課後の友達の誘いを断る、そうしないとお母さんとの時間に間に合わないから……


別に強制されている訳じゃない

だけど今の俺にとって、友達と遊ぶ事よりお母さんとの時間の方が大切だった


一人になった部屋でガサガサとランドセルの中に手を入れた


【授業参観のお知らせ】


そう書かれた紙をギュッと握り締めながら、

『今日も渡せなかった……』とため息をついた


…………………
………


♪♪♪♪♪

時計の針が18時になると、リビングからテンポの良い音楽が流れる

時間の節目(ふしめ)になると鳴る時計、そして………

ガチャッ

その音を聞いた瞬間、俺は待ちに待ったかのように玄関へ走った


『お父さん!!
おかえりなさい♪』


そう笑顔で迎えると、お父さんはにっこりと笑い『ただいま』と頭を撫でてくれる

それがすごく嬉しくて一番大好きな瞬間でもあり、またこれも俺にとって日課になっていた



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