近未来少年少女


興味津々な俺の頭にお父さんは手を置いた

『でも今じゃお父さんはただのサラリーマンだけどな。』

その顔は寂しさよりも、どちらかと言えば満足そうな顔


『……なんで諦めちゃったの…?』

聞いていいのか迷ったけど、俺はどうしても気になった

お父さんは少し遠くを見つめ、昔を思い出しているかのように

『自分に限界を感じたから』と言った


げ、限界……?

意味が分からなかったけど、お父さんはさらに続けて話し始めた

『やってもみないで限界を勝手に決めつけて諦めた。たぶん挫折するのが怖かったんだろうな…』


お父さんは俺に話すと言うよりは、まるで過去の自分に話し掛けてるみたいだった

お父さんが何を言ってるのか理解出来なかったけど…少し寂しそうな顔を見て、俺はある事を思った


『昔に戻ったらサッカー選手になる?』

不意に出た言葉だった


どうしてこんな言葉を言ったのか、自分でも分からない

だけど俺にはお父さんが昔に戻りたそうに見えた



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