近未来少年少女


『…あ!あとお父さんにはもう一つ夢があったんだ!』

お父さんは思い出したように声を上げた

『もう一つの夢……?』

俺は首を傾げ、お父さんが次の言葉を言うのを待った

『自分の子供にサッカーを教える事』

『!!!!!』


俺に…?お父さんが………?

『ユウキが上手になるようにお父さんが教えてやる!』

『ほ、本当……?』


『あぁ、だけどこれだけは約束だ』

そっと小指を俺の顔の前に持ってきた

『約束?』


『自信がついたらみんなの仲間に入れてもらって一緒にサッカーをする事!』

俺はお父さんの小指を見るだけで、自分の小指を出そうとしなかった、すると………

『こら、サッカーは一人でやる遊びじゃないんだぞ』

『だって……』

『だって?』


『友達ってどうやって作ったらいいか分からないんだもん』

俺がそう言うと、コツンッとお父さんは俺の頭をこずいた

『ユウキ、これだけは覚えとけ』

『…………』


『友達は作るものじゃなくて、いつの間にかなってるものなんだよ』



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