近未来少年少女


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そしてまた1週間が過ぎた

俺は公園に向かう前に駄菓子屋に寄ってから行く事にした

ウノ町の一丁目と二丁目の際目にある駄菓子屋

すごくボロくて、今にも壊れてしまいそうな家

でもここのおばちゃんは、すごくいい人ですごく優しい

毎週来てるから顔を覚えてくれたみたいで、いつもオマケしてくれる


ガラガラガラ…ー

『おばちゃーん!』

ガラス戸を開けて叫んだ


『はいはい』

いつものように奥から顔を出した

駄菓子屋の奥はドアのない畳の部屋があって、そこにはコタツとテレビが置いてあった

コタツって今の時期に必要ないと思うけど…前に聞いたら、

『冬なんてすぐ来るよ』と言っていた

すぐではないと思ったけど…渋々納得した


『じゃぁ…これとこれ下さい』

ジュースとチョコレートを手に取って、おばちゃんに渡した


『はいはい、50円ね』

40円のジュースと5円チョコレートを二つ買った、そして……

『ユウキちゃんこれオマケね』

おばちゃんはそう言って、ガムをくれた

しかもサッカーボールの形をしたガム!!


『ありがとう!!』

お礼を言うとおばちゃんは、『二個あげるからお友達と食べてね。ユウキちゃん』と笑った


友達と………って俺一人で練習しに行くんだけど

まぁ…いいか、そんな事より……


『おばちゃん……ユウキちゃんって呼ばないでよ…』

『え?どうして?』


どうしてって……

『だって俺男だよ!!“ちゃん”は女の子みたいじゃん』

ユウキちゃんなんて呼ばれた事ないし、こんな呼び方で呼ぶのはおばちゃんくらいだ

『そんな事ないよ、可愛いよ』

だーかーら、可愛いとか言われても嬉しくないし!

俺はこれ以上言っても無駄だと思い諦めた

帰り際“また来るからね”と言って駄菓子屋を後にした
……………
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