近未来少年少女
自分でも本当に不思議だった
こんな事を、しかも病院に居る少年に言うなんて
こんな風に誰かに話しかけたのは初めてで…内心はすごくドキドキしていた
だけど、どうしても俺には少年が外の世界に行きたいような……
サッカーをやる俺を羨ましそうに見ていたような気がしたから
少年は小さい声で俺の問いに答えた
『でも僕は……………
………』
予想通り、か細くて今にも消えてしまいそうな声
俺はそんな事を無視して、とんでもない事を口にした
『一緒にサッカーやらない?』
下から少し見えた少年の洋服は白い服だった
“病院”“白い服”
それだけで十分過ぎる程、少年の立場が分かる
“この病院に入院してる”
少年がどんな病気で、どんな状況なのか俺は知らない
患者である少年に向かって、サッカーやらない?なんて普通の人なら絶対言わないだろう
でも少年の一言で、そんな俺の考えも吹き飛ばされた
『うん!』