近未来少年少女



“うん”

それはありえない答えだった

自分で誘ったくせに矛盾してるけど…俺の方が動揺してしまった


『え…え?い、今“うん”って言った?』

少年は窓からもっと身を乗り出して、

『公園で待ってて!すぐ行くから』

そう言って素早く顔を引っ込めた


『……………』

呆気に取られた俺は少し考えた後、いいのかな……?と首を傾げブツブツ言いながら、公園へと引き返した

………………
………

……………………
……

暫く経って、キィィと秘密の扉が開いた音がした

少年は静かに俺の側までやって来た


俺が見た第一印象は“透明”

白い入院服、日光に浴びていない生まれたてのような肌


今にも折れそうな細い手足に、色素の薄い焦げ茶色の髪の毛

吸い込まれそうな綺麗な瞳

その全部が透明みたいに透き通って見えた


少年の周りだけ違う空気が流れてるような

公園のピンク色の桜の中に、白い花が咲いてるみたいなそんな感じ


今までに出会った事のない少年の雰囲気に

俺は一瞬で目が離せなくなっていた



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