近未来少年少女


『ミノルちゃんね!可愛い名前だね。ここは何もないけど、ゆっくりして行きなさいね』

おばちゃんは優しくミノルの目を見つめていた

ミノルはそれで安心したのか『はい…!』と聞こえる声で返事をした

俺はそんな様子を見て、一人で微笑んでいた

……あ、そうだ…!


『ねぇ…おばちゃん、この間くれたサッカーボールのガムある?』

俺は思い出したように聞いた

おばちゃんは首を傾げ、

『サッカーボールのガム?そんな物あったかな…』

と完全に俺にくれた事さえ、ど忘れしていた


『ほ、ほら!オマケだよって言ってさ…あ、ミノル今持ってる?』

ミノルに聞くとコクリと頷き、ポケットからガムを取り出した

それをそのままおばちゃんに見せると……………


『あーこれね、これはもうないよ。ユウキちゃんにあげたのが最後だったよ』


えー…!そ、そんな…………
俺のテンションがみるみる下がっていった




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