近未来少年少女

制服に着替えて階段を降りると､
リビングの机にクリームパンが置いてあった

俺はそれを一つ手に取り､口にくわえた


つーかおふくろ…

名前呼んで起こしてくれたなら
ちゃんと最後まで起こしてくれよ


まぁ､睡魔に負けた俺が悪いんだけど


そんな事をﾌﾞﾂﾌﾞﾂ言いながら､
外に飛び出した



俺の家族はおふくろと俺の二人だけ


父親は居ない


今から4年前に離婚した

俺が13歳の時だ

理由は親父の借金らしいけど
きっと他にもあると思う


おふくろと親父は顔を合わせればいつも喧嘩してたし､それに……


親父はあまり家に居なかった


“早く離婚すればいいのに…”
当時の俺はいつもそんな事を
思っていた


“離婚”って言葉をあまり深く
考えてなかったし､

17歳になった今でもピンとこない言葉だ


だけど大人っていうのは､そう簡単に色んな事を決断出来ないみたいで

大人って面倒くさいんだな､って昔も今も思ってる