近未来少年少女


同じガムを買えば解決すると思っていた自分が甘かった


『ユウキこのガム好きなの?それならこれ……』

そんな中、ミノルが右手に持ったガムを俺に差し出した

はぁ……
俺は大きなため息をついて言った


『違うよ……!そ、その……アレだよアレ…。ミノルがさ、大事に持ってんなら俺も同じ物を持っていたかったの』

俺は恥ずかしそうにポリポリと頭を掻いた


ミノルがただのガムを宝物なんて言うから…俺までそれが宝物に見えてきた

でも食べちゃったから……せめて同じ物があったらと思ったんだけど……

やっぱりそう上手くはいかなかった

俺の言葉を聞いたミノルは、
『やっぱりこれは一生食べない…』とボソッと言った

………………………
………………
………

暫く時間が経った頃、ゴロゴロー…っと妙な音が耳に聞こえてきた

………?な、なんだ……?


『雷だ……』

ミノルが駄菓子屋の窓から外を見て言った

『か、雷!?嘘、さっきまで超晴れてたじゃん!』

俺の声が駄菓子屋に響いた
次の瞬間、タイミングを見計らったかのようにザザザザザァ!とものすごい雨の音がした


『すごいね、夕立かな?』

『あらあらお天道様も気まぐれだね。ユウキちゃんもミノルちゃんも雨が止むまでここに居るといいよ』

ミノルの後におばちゃんが言った

俺も確認するように外に目を向けた

本当にすごい雨だな……
傘もないし、今出たら絶対ずぶ濡れになる

俺はいいけどミノルが風邪ひいたら大変だ…


『ミノル、雨が止むまでここにいよう。おばちゃんもそう言ってくれてるから』
…………………………
………………


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