近未来少年少女


天気のせいか外は薄暗い灰色をしていた

例え晴天でも薄暗い駄菓子屋の中はいつも以上に暗く感じた

奥の部屋に案内された俺達はスイッチの入っていないこたつに足を入れた

興味のない相撲のテレビだけがうるさく響く


おばちゃんは“何もないけど”と言いながら、お茶とお菓子を出してくれた


『おばちゃんはいつも一人でここに居るの?』

俺は出されたお菓子を食べながら聞いた


『おじいさんが一昨年亡くなっちゃってね。それからはずっと一人だよ』

俺は余計な事を聞いてしまったと、少し罪悪感が生まれた

でもおばちゃんは笑って………

『だけど最近は毎週来てくれる子が居るからね』

『え?』


『今日もまた一人ここに来てくれる子が増えた。おばちゃんすっごく嬉しいよ。長生きはするもんだね』


俺とミノルは照れ臭そうに顔を見合わせた



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