近未来少年少女
俺は公園の前までミノルを送った、そして………
『はいこれ』
おばちゃんに貰ったお菓子を半分分けた
『…ありがとう、また宝物が増えた』
ミノルは嬉しそうにお菓子を受け取った
『まさかこれも食べないつもり?』
俺が慌てて聞くと、ミノルは即答で“うん”と答えた
う、うんって……
『お菓子食べなきゃカビ生えちゃうよ…?』
『だって目に見えないと不安なんだもん』
『……目に見えないとって?』
『お菓子は食べたらなくなっちゃうでしょ…?だからこうして食べずにいれば目に見えるから』
ミノルが平然とそんな事を言うから俺はたまに言葉を失う
ミノルはそれでも淡々と言った、それはまた大人っぽい言葉で…
なんだか胸が苦しくなるような事で……
『夢だったんじゃないかって思っちゃうんだよね……』
『ゆ…め………?』
『朝起きたら全部僕の妄想で全て夢の中の出来事だったんじゃないかって…』
『…………』
『ユウキと会えた事もこうして病院の外に居る事も…だからこうして思い出は目に見える範囲に置いときたいんだ』
『ミノル……』
『笑っちゃうよね。前は全部夢ならいいのにって思ってた僕が……今は夢でなければいいと思ってる。…不思議だね、こんな風に思う日が来るなんて』