近未来少年少女


俺は直感で思った

お母さんはいつも電話してる男の人に会いに行く

なんとなくそう思った

俺は二階で寝ているお父さんの事を考えた

…………唇を噛み締め、拳に力が入る


『ねぇ…お母さん』


『な、なぁに?』


相変わらずお母さんは靴を、俺から見えないように隠していた

別にもう見えたし、それ以前に全部知ってるんだけど
そんな事を思いながら、

『もうダメなの……?』

俺は小声で言った


『ダ、ダメってな、なにが…?』


『俺の家族はもうダメになっちゃったの?』

そう言うとお母さんの体から力が抜けていき、カタンと隠していた靴が転がった

たぶん、お母さんの頭の中で様々な葛藤があったんだと思う


俺がこんな事を口にする理由、それは今日自分達の喧嘩を見られてたせいなのか

それとも……自分の秘密を知ってて言ってるのか


お母さんは色んな疑問の中で、必死に頭を整理してる感じに見えた



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