近未来少年少女


俺はお母さんを押し退けて外に飛び出した


『ユ、ユウキ!?』


『……今日は友達の家に泊まる、今は家に居れない…』


居たら我慢出来なくなる

だからこれが自分なりに考えた家族を守る方法だった

『友達の家…?今から……?』

たぶん、さっき時計を見た時10時だったから今は10時30分過ぎぐらいだろう

こんな時間に一人で出掛けた事なんてない

でも今はそんな事言ってらんない


『大丈夫。近所の家の友達だから』


俺は嘘をついた

近所に友達は居ないし、泊めてくれる友達も本当は居ない

そんな事、親ならすぐ分かると思うけど……俺の家は他の家とは違う


ここ最近お母さんとまともに会話をしてないし、学校の事や自分の事すら話していない

だから近所に友達が居ない事とかそんなのお母さんが嘘だと見破れる訳なかった


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