近未来少年少女



【そこから右に真っ直ぐ進んで、突き当たりを左】

【少し歩くと緑色に光る非常階段が見えるからそこで待ってて】


え?真っ直ぐ?左って…………?

そこに行けって事……?

俺は上を見上げ、ミノルの部屋を見た

……が、もうそこには誰も居なくて虚しく窓だけが開いていた

と…とにかくこの通りに行けばいいんだよね………?

俺は状況を理解出来てなかったけど、とりあえず緑色に光る非常階段を目指して進む事にした

…………………
……………

暗い中はやっぱり歩きづらくて、俺は手探りで突き進むしかなかった

一度通った事がある道なら暗くても大体は分かるが、何せ初めて通る道

俺は紙に書かれたメモを信じて歩き続けた


……すると、本当に緑の非常階段が見えてきた

外に取り付けられた階段は各階ごとに繋がっているらしく、それぞれ目印かのように緑色の電灯とドアが見えた


ここに来たのはいいけど…ど、どうしろって……?

階段下で一人戸惑っていると…ガチャッと上の方で音がした


それは三階へと続く階段脇のドアが静かに開いた音だった


『ユウキ……こっちだよ』

緑色の電灯が顔を照らして、そこにはしゃがみこんだミノルの姿があった

『ミノ……』

『シッ!!』


俺が名前を呼ぼうとした時、ミノルは大声出してはダメと警告した

ミノルは背中を丸めてキョロキョロと周りを見渡した

そして……無言でこっちに来いと手招きをした



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