近未来少年少女
特別な部屋……確かにそんな感じがする
ミノルの部屋は白いタイルが敷いてあって、ベッドも病院のベッドではなく、少し大きめのベッド
窓は四つもあり、綺麗なカーテンが付いていた
ベッドの横には大きなテレビ、部屋の隅にはクローゼットや収納ボックス
さらには木造で出来た勉強机まで置いてあった
病院の病室ではなく、俺にはお金持ちの家の一室に見えた
『俺…普通にここに住みたいよ』
冗談まじりに言うと
『あはは、全然いいよ!僕一人では広すぎるから』とミノルは笑った
確かに広すぎるよな……
『なんでこの部屋だけ特別なの?』
そんな質問は『僕院長の息子だよ』
この短い説明だけで俺は納得できた
『ここは病院だけど僕の家でもあるんだよ。生まれた時からずっとここに居るからね』
『う、生まれた時から?』
初めて聞いた事実、ミノルはさらに続けた
『うん、ここ以外に住んだ事もないし、病院の外に出た事もなかったんだよ。ユウキと会うまではね』
ズキン…胸が少しだけ傷んだ