近未来少年少女
本当はあの日………
ミノルに初めて会った日
救ってほしいと願ったのは俺の方だった
一目見た瞬間、ミノルは孤独を知っていると思った
だから俺の気持ちを……ミノルになら話せると思ったんだ
“ユウキは僕を連れ出してくれた”
“本当本当に感謝してるんだよ”
ミノルはそう言ったけど、ミノルを連れ出したのは自分の為で……
感謝なんて……俺はそれ以上にお前に感謝してるんだよ
そんな事を思いながら、込み上げてくる感情を必死に堪えた
『ねぇ、ドアの近くだと看護婦さんが見回りに来たりするからこっちに来てた方がいいよ』
ミノルの言葉に俺は我に返った
俺はミノルの隣に座り、もう一度部屋を見渡すとある物に気付いた
それは壁に飾られた複数の絵
この絵…この独特の書き方は…
『これ全部ミノルが書いたの?』
ミノルは前に桜を書いて俺にくれた
それと同じで人物画ではなく、風景画
空の絵や森の絵、そして花の絵
色々な風景がある中、俺の目は一枚の絵に止まった
他の絵とか少し違う絵、これも風景画………?
その絵にはたくさんの建物が描かれていて、どれも可愛らしい家ばかりだった
『なんかこれお菓子の家みたいだね』
絵を指さして俺が言うと、
『僕童話が好きなんだ』とミノルは嬉しそうに言った