近未来少年少女
『あ……!』
俺は思い付いたように声を上げた、そして……
『じゃぁ……書いてみようよ!』
『書くって…なにを?』
『空気が美味しい街!ミノルが好きなメルヘンな建物を建ててさ、…ほら!こんな風に空とか森とか花とかもいっぱいにして』
俺は壁に飾られた数枚の絵を指差した
『僕が街を………?』
『うん!俺とミノルが考えた街、空も緑も建物も全部綺麗でそれで…ミノルの病気が治るような街をさ』
……………………
…………………
……………
時間は深夜
ウツギ町も病院もみんなが寝静まった中、ベッドに入りコソコソとする子供二人
理由は3時になると看護婦さんが見回りに来るとミノルが言ったからだった
俺達は身を隠すように布団に潜り………
『色んな店もいっぱい書こうよ!レストランとか雑貨屋とか本屋とか、あー後、ゲームセンターに遊園地も!』
俺は思い付いたままに提案し、それをミノルが紙に描く
真っ白だった一枚の紙が、みるみるカラフルに染まっていった
『お店か、いいね!でも僕お店に行った事がないから…中とか分からないんだけど』
『中は適当でいいよ、ちなみに商品は全部タダ。お金も存在しない』
空想で作った街が描いてく内に、だんだん具体的になっていき俺とミノルはワクワクしながら街を完成させていった