近未来少年少女
『あ…そうだ!僕書きたいものがあるんだけど…』
ミノルは少し照れたように言った後、サササッとペンを走らせた
………?こ、これは…………俺の目に映ったものは
『広場……?』
ミノルが書いたのは芝生が敷き詰められた大きな広場だった
『うん。これだけ広かったらたくさんサッカーの練習が出来るでしょ?』
描かれた広場は何もないただの芝生の空間だったけど……俺には見えた
ここでミノルと俺がサーカーをやってる姿が……
空想の世界なのに見えたような気がした
でもサーカーは…サッカーゴールがないと……まぁいっか
俺とミノルはその後も意見を出し合って次々と書いていった
青い空、白い雲
右には色んな店や看板、ミニチュアのおもちゃみたいな感じ
左には木や緑そして花、童話の国に居るようなそんな風景
下はどこまでも続くレンガ模様とコンクリート、まさにメルヘンそのもの
『後は…家とかは?こんなに綺麗な街なんだから人が住めるようにしようよ』
『僕…病院にずっと居るから家って分からないんだけど…どんな感じに書けばいい?』
ミノルの質問に俺は頭を抱えた
ど、どんな感じ?
そう聞かれると困るな……俺の家みたいなのはこの世界に合わないし…
うーん……うーん………
……………
……考えて考えた結果、
『い、家は保留!ちょっとゆっくり考えさせて』
俺は苦笑いで答えた