近未来少年少女


……………………
…………そして一週間後、

『なんか……元気ないね。どうかしたの?』


公園のベンチに腰掛けてる俺を心配そうに見つめているミノル

『はぁ……やっぱり俺元気ない?』

沈んだ声で聞いてみた


『やっぱりって…誰がどう見てもそう見えるよ。それにもう6回目』


ミノルはそう言うと、俺の隣に座った

6回目…………?

『な…なにが?』


『ため息を吐いた回数!』

ため息?俺6回もしてたかな……

『そんなにしてないよ…』
弱々しく言い返すと、

『してたよ?まだ公園来て30分も経ってないのに。これじゃ帰るまでに200回以上するんじゃない?』

ミノルの冗談に俺は笑えなかった

今なら本気で200回以上ため息が出そうだったから


ミノルは俺の顔をじーっと見つめながら言った


『家の事……?』

前々からミノルには家の事について話していた

だから何も言わなくてもミノルは大体察してくれていたんだと思う


はぁ………
俺は何も答えず、またため息をついた

吐いた後に“7回目”という言葉が聞こえて来ると思ったのに、聞こえてこなかった

ミノルは少し黙った後に、
『大人には大人の事情があるけど、子供には子供も事情があるんだよね』と言った


俺はミノルの言葉を聞いて、本当にその通りだと思った

大人の事情は子供には分からない

だけど、子供の事情は大人には分からない


『やっぱり分かり合うのは難しいよな……』

俺はボソッと呟いた


『……ユウキなら分かり合える日が来るんじゃない?……僕には無理だけど』



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