近未来少年少女


ミノルの顔が険しくて、こんな姿を見たのは初めてだった

少しだけ沈黙になった後に、

『って……偉そうに言っちゃね、ごめん』

いつものミノルに戻って言った


『う、ううん!俺の為に言ってくれたんでしょ?ありがとう…』


『それもあるけど……ちょっとだけ自分の感情で言っちゃた』


『?』


『ユウキのお父さんは僕のお父さんと違うもんね…。ユウキのお父さんが嘘付いてるみたいな言い方して本当にごめん……』


たぶんミノルは自分と重て合わせて喋っていた

平気で嘘を付けるのは大人
嘘を付かれた時知らない顔が出来るのも大人


俺のお父さんがそうなのかは分からない、でも少なからず……

ミノルのお父さんはそうなのかな?


ミノルはきっとたくさんの“嘘”を経験して来たんだと思う

だから嘘は許せなかった、どんな理由があったとしても


今までどんな嘘を付かれて来たの?…なんて俺は聞かないけど

だって今日1日では語れない程の嘘をミノルは背負ってる気がしたから



< 436 / 599 >

この作品をシェア

pagetop