近未来少年少女
俺はミノルの事を友達だと思ってる
出会ったあの日からずっと
軽々しく“友達”だなんて言う奴は好きじゃない
だからミノルを見て自分と似た所があると感じていた
でもそれは俺なんかよりも重くて悲しい現実
ミノルが“友達”と口にしないのは病気という大きな壁があったから
病気はミノルの全てじゃないけど
ミノルは病気を背負って生きている
だから絶対にミノルは軽々しく友達だなんて言わない
だけど俺の気持ちは最初の頃と何も変わってない
病気を知った今でも何にも変わってないよ
“俺と友達になって”
その気持ちただ一つだけ
『………ユウキはやっぱりすごいな…』
『え?』
『…簡単に………簡単に…僕との…壁を飛び越えてくる』
『ミノル………』
『…ッ…太陽みたいに眩しくて暖かくて……涙が出る……』
ミノルの震えた声と大粒の涙が目に映った
ミノルが俺に見えないように窓を見て泣いてるように
俺も声を出さず涙を流した
この涙は嬉し泣き
ミノルと友達になれた嬉し泣きだよ
ミノルとならこの先なにがあっても、何年経っても変わらずにいられる
きっと………
きっと…………………